三門の改修が終わりました
最初お話を伺った時、山門と思っていたのですが、正しくは三門。以下辞書
禅宗伽藍(がらん)の正門。古代寺院の中門に相当する。一般に二階造りの楼門で、楼上に釈迦・十六羅漢などを安置する。本堂を涅槃(ねはん)に擬し、そこに到達するために通る空・無相・無願の三解脱門に擬する。のちには智慧・慈悲・方便の三つに擬していう
鎌倉時代より流行った禅宗様式なのだそうで、建築様式と仏教の教えでは意味が異なります。

今回は二階部分の改修でした。とはいっても以前より50センチ低くしたので、中で人が立つこともままなりません

木鼻や、出三斗(でさんと)と呼ばれる出組も、棟梁と大工さんで加工。ケヤキ材は硬いので彫るのが大変、少しずつ木鼻が加工場に増えていきました。すべてこのお寺のオリジナル、以前の姿そのままです。
柱は古い柱を削って使っています。いくらかは新しい材のようです。ぱっと見ただけではわかりません。大工さんの手で再生された柱、太陽の光に美しく光ります。すばらしい、日本の木。
県内の文化財で、さわらの板材で葺いた屋根を見たことがあるのですが、完成直後は、太陽の光を受け、黄金に輝いていました。銅板とはまた違い、それは感動でした。新築の和室に障子を通して陽が入りますと、部屋全体があわい金色になる事がありますね。こんな時、日本人に生まれてよかったと思ったり・・・しませんか?
話を戻します、屋根は入母屋になっており、破風には懸魚(げぎょ)の飾りが掛かっています。かぶら懸魚、下がカブラに似ているからそう呼びます。色々な種類があり、姫路城の天守閣には、オリジナルなものもたくさん見られます。シャチ(ほこ)が下にあって、水しぶきを模した懸魚が別棟に掛かっていたり、面白いですよ。
冬は雪がかなり残る地域なので、現地調査の時、屋根裏を覗くと人が入る隙間もないくらい、軒先に向かって補強材の梁が入っていました。郷に入れば郷に従えでしょうか、意味はあります。
建築を見れば、作り手の意図がわかるのがまたすばらしい事です。昔の大工さんの手仕事を見て、その家や建物を知ることができます。だからこそ、いい仕事は残していかなければなりません。きっと、何十年か後、今回の仕事に携わった人がいない時代になっても、次に改修する大工さんが、この仕事をみて、「ああ、こういうことでこうなったんだな」と感じとれるよう、いい仕事やなぁと思ってもらえるような仕事を残す。これが、建築、技術、歴史を後世に継ぐ、もう一つの大切な仕事、役割のように思います。
かなり遠方からの撮影、あっというまに色が変わりますが、よかったら見に来て下さい。ご連絡いただければ、ご案内いたします。
